いつも寝転がっていたり、仕事も家事もしないME/CFS患者は怠け者に見えるかもしれません。
時に、自分でできることも、体力を温存したり、症状が出ないようにするため、「あえて」しないこともあります。
人ににすべてをやらせている姿を見たら、「この人は、病気だからって、甘やかされている!」と陰口を言われることもあります。
とにかく、はじめて会う人には、一言、「元気そうに見えるけど、目に見えない症状が色々あって、できないことが多くて、人の助けが必要なんです。」と一言言っておくと、わかってくださることが多いです。
家族には、何かをしてもらうたびに、どんなに小さなことでもお礼を言うようにしています。
介助をしてもらうことは、当たり前のことではありません。
病人を抱える家族の苦悩は大きいものです。
と同時に、病人の心にも、家族に申し訳ないという罪の意識があります。
「ごめんね。」よりも、「ありがとう。」と言うことを心がけています。
でも、最もわかってもらいたい家族、そして、理解と協力が必要な職場や学校の理解を得られない患者は、どうでしょうか。
怠け者扱いされ、必要な援助や精神的サポートも与えられず、苦しい症状に加えて、孤独に打ちひしがれます。
そして、実際に、買い物に行けないから今日食べるものがない、生活苦で治療費もままならない、障害者手帳をもらうための手続きをする体力がない、、、
患者にとって、周囲の理解と協力は必要不可欠です。
どうか、ヘルプサインを出している患者の声なき声に気付いて手を差し伸べてください。
筋痛性脳脊髄炎/慢性疲労症候群は、日常生活の質を著しく低下させる重篤な慢性神経免疫系疾患です。
ME/CFS患者たちは、専門医の不足と無理解、医療機関の受け入れ不能、障害者手帳の取得困難、福祉サービスが受けられない、家庭や学校、職場の無理解などによって、何重もの苦しみに耐えながらも、少ないエネルギーで、与えられた命を生き抜く「勇士たち」です。
決して、怠け者ではないのです。