*自分用メモとして複数の記事や投稿を要約しました。ご参考までに!
事の発端は、MEドキュメンタリー映画 「Unrest不安と共に生きる」を見た医師が彼女がアートの一部として映画に挿入した自分のMRI画像を見て、脳に脳脊髄液がたまっている白いスポットを見つけたことだった。
その医師は、感染症などで高熱を出した後に、そのような病態になることを偶然知っている医師だった。
その後、彼女は頭蓋内圧亢進症であることがわかり、腰椎穿刺 を受けた。
同時期に、Phoenix RisingというME団体のネット上のフォーラムに参加したジェフというME患者が、患者同士のやり取りの中で、CCI/AAIという病態がME/CFSやPOTSのような症状を引き起こすことを知る。
CCIとは、頭蓋骨と頸椎の接合部のゆるさ、不安定性のことを意味する。
頭蓋骨と頸椎の不安定性が脳幹や上部脊髄を圧迫して、様々な症状を起こす。
CCI/AAI診断も、ME/CFSと同様に、たどり着くまでに長年を費やす病態で、医療界では、交通事故などのケガが中心で起こる病態とされているため、アメリカでも、ME/CFS患者が診断を求めてもなかなか診察してもらえないそうだ。
ジェフは、患者からの情報から、頸椎カラー(首にするサポーターのような器具)をしてみると、症状が多少改善したことから、手術してくれる医師を求めて全力を尽くし、ついに、手術を経て、MEやPOTSの症状から解放された。
ジェニファーもまた、同様の診察・診断を受け、神経手術を行ったところ、寛解。
一番最近の投稿では、ジムに通い始め、リハビリをしているが、以前のような労作後の不調(PEM),光過敏、起立不耐性、痛みなどは出なくなり、MEのために飲んでいた薬(Valcyte, fludrocortisone and pyridostigmine (Mestinon) も飲んでいないそうだ。
ゼブラネットワークや他のウェブサイトでは、CCI(直訳すると、頭蓋頸椎不安定性)の3つの主な症状は、
―重い頭(頭が首に対して重すぎると感じる)
ーあくび、笑い、泣く、咳、くしゃみなどで圧力のかかるような頭痛がする
ー自律神経系症状(頻脈、暑さ不耐、起立不耐、胃腸運動性の問題、喉の渇きと慢性疲労)そのほか、首の痛み、睡眠時無呼吸、顔の痛みや麻痺、バランスや筋肉運動の整合性の問題、めまい、気絶、視力問題、飲み込みの難しさ、耳鳴り、吐き気、麻痺、眼振など
以下の3名が専門医で、世界に多くいるわけではなさそうだ。
Dr. Henderson at the Metropolitan Neurosurgery Group in Maryland;
Dr. Bolognese in at the Chiari Neurosurgical Center, New York;
Dr. Gilete in Barcelona, Spain.
Dr. Faheem Sandhu in Georgetown, Washington D.C.も急速にその専門性を高めている。
ジェフの主治医は、 Dr. Patrick Johnson, Director of the Cedars-Sinai Institute for Spinal Disorders in Los Angeles CA, で、彼の診断をしたが専門医ではない。
Invasive Cervical Traction (ICT) と呼ばれる方法で、患者の頭を引き上げることで診断、もしくは、医師が単純に患者の頭を脊髄から引き上げることで、症状が改善するかで診断することもある。
フィラデルフィア頸椎装具をつけてみることが、ジェニファーとジェフが自己診断するのを助けた。(つまり、それで症状が改善するかを自分で確かめてみたということ)
ジェフとジェニファーは、手術を余儀なくされたが、Dr.Bologneseによると、CCIの治療は、首の頸椎装具や活動制限、理学療法や痛みの管理など保守的な方法から開始する。
Phoenix RisingフォーラムでCCIと診断された患者たちは、寝転がっている時に誰かに頭を上に引き上げてもらうことや処方箋による治療でも効果があったとする。
理学療法士はジェフの家族に首の施術方法を教え、他の患者は、家で首のけん引装具を使うことで症状をやわらげた。
ベッドで足をあげ、頭を下げるトレンデレンブルグ体位がジェフの症状を緩和したという。
別の患者、ウェインは、10代で始まったME/CFSが深刻な頭部のケガ・むち打ちが原因だったといい、彼はおそらく自分はCCI/AAIであり、AltasPROfilaxと呼ばれる方法や専門的なカイロプラクティックによって大きな効果を得たとする。
また、Perrin Techniqueは、首や頭部の問題を持つ人には効果がある可能性がある。
キューザック法により緩みの治療をした人も。
Regenex治療では、その日のうちにおわるステム細胞処置で、骨髄濃縮液を(BMC)直接、緩んだ靭帯(じんたい)に注射する方法。
頭蓋骨頸椎手術では、頭蓋骨を上にひっぱり、正しい位置に置き、頭蓋骨の後頭部の骨を上部頸椎に融合させ、正確な場所に接合する手術で、保守的な治療で良くならない場合の最終手段となる。
ジェフによれば、ME/CFS診断の際、甲状腺の問題や無呼吸睡眠などを調べるが、神経外科的な病態をも最初に除外するべきだと言う。(ジェフの場合は、ME/CFSではなく、CCI/AAI治療で完治したため、誤診だったと本人は言っている。)
Phoenix Risingのフォーラムでは、ME/CFSやFM患者に見られる症状を引き起こす脳幹や脊髄を圧迫する病態について以下の病態が話し合われている。
頸椎脊椎管狭窄症(脊柱管が細くなりすぎ神経を圧迫)、脊髄空洞症(脊髄に液体の入った包のうのうができて、脊髄神経を圧迫する)、キアリ奇形、脊髄空洞症のほか、ME/CFS/FM/POTS症状を生じさせる、もしくは何かしらの関与を示す脊髄の病態として、脳脊髄液漏出症や頭蓋内圧亢進症が挙げられる。
これらのME/CFS/FMと似た病態はME/CFSを解明するだけでなく、すでに複雑な病気をさらに複雑にさせている。