本日、2019年3月23日 眼瞼・顔面けいれん友の会による講演「慢性疼痛症、線維筋痛症と眼症状」に出席させていただきました。
線維筋痛症のお話をされた東京リウマチ・ペインクリニック院長岡寛先生のお話の要約は以下の通り。
ームンディファーマ株式会社「痛み」に関する大規模調査「Pain in Japan 2010」によると、日本人成人の慢性疼痛保有率は推計約22.5%。そのうち、7割が適切に緩和されていない。
ー厚生労働省 線維筋痛層研究班(2004-2005)によると、線維筋痛症患者数は200万人。人口の1.66%。そのうちの92%が失職。
ー小児線維筋痛症患者は、たるんでいる!学校に行きたくないだけという偏見がある。
ー不登校児の中に小児線維筋痛症患者が大勢いる。
ー年間、6千億円の医療費、労働損失は合計で2兆円という国家の危機ともいえる状態。
ー厚生労働省線維筋痛症研究班(2004-2005年):全身痛や頭痛、頭重感、精神症状、睡眠障害、こわばり、疲労、腹部症状ほか、多くの症状を示すなかで、光線過敏が9.8%の患者に見られた。
ー慢性疲労症候群研究班の倉恒先生らがCFS患者9例と健康な人10例を対象に研究をし、CFS患者の脳でミクログリア活性化でされる神経炎症を見つける。この9例のCFS患者のうち、5例は線維筋痛症合併している。
現在、100名を対象にした研究結果に期待。
この研究によると、脳の帯状回が疼痛に関連しているかもしれない。
線維筋痛症と眼球使用困難症(眼瞼痙攣など)は、脳の同じような部位が関連しているであろう。
ー線維筋痛症の治療で最も大切なことは、まず、患者の痛みを認知すること。ペインヴィジョンで痛み度を測り、認識する。
ー線維筋痛症の治療効果を上げるのに大切なことは、「良くなっていきたい」という患者本人の気持ち。
線維筋痛症患者は、「私がこの病気になったのは、こういう出来事があったから」「夫にこんなことをされたから」などマイナス感情を持っていることが多い。
まず、線維筋痛症患という病気なのだということを受け入れて、「それじゃあ、良くなるために、これからのことを考えよう」という指導をすることで、治療効果の確率をあげていく。
たとえ、ペインクリニックなどで薬物療法を行う、家族のサポートなどを得るというガソリンを得ても、「良くなっていきたい」という気持ちをもってアクセルを踏むのは患者本人なので、「セルフマネージメント」が大切。
ー投薬についての話(治療フローチャートが配られましたが、ここでは詳細は省略させていただきます。)
ーNRT内服 トリガーポイント注射 睡眠剤(マイスリー)漢方薬(抑肝散)
ーノイロトロピンが副作用が少ない上、手足の冷えにも効く。抗アレルギー剤的な薬。妊婦も使用。
ーリリカ(プレガバリン)は抗てんかん薬的なものなので、鎮痛をしてもフラフラするなどで運転できない、飲んだり飲まなかったりできないなどの欠点も。18歳未満の子どもにあげると学習能力が著しく落ち、ずっと眠いということがあるので、あまり勧めない。
ーサインバルタ(デュロキセチン)は、セロトニンとノルアドレナリンを出し痛みにブレーキをかける。
活力がわくなどで生活の質もあがるという利点もある。
ーこれらでも効かない場合、ドラマドール/ワントラム、それでもだめなら、トラムセット。
以上、特に頭に残った部分を配布された講義内容を参考に記載させていただきました。
ちなみに、電車に乗って、思ったこと。。。
香水の匂いや柔軟剤の使用で香りの帯のようなものを放出している方たちが大勢いました。
正直、香料のガスチャンバーに入れられているような状態。
これでは、全国で推定950万人、人口の約7.5%の化学物質過敏症の方たちが苦しくてたまりませんね。
通勤、通学がどれだけ辛いことか!と胸が痛くなりました。